介護 子育て

やわらかな自立支援(介護~子育て~療育)

前回の記事でふれた

相手を尊重する

相手の自立を信じるというスタンスについての

記事の続きです☆

特別養護老人ホームで働いていて切なかったこと

今日は、特養勤務時代の

切なかったエピソードを

思い出したので書いてみます。

特養ホームの大広場で

歌謡ショーなどの

イベントがありました。

楽しい行事が終わり

入居者さんたちは

各自

自分の部屋まで帰ります。

歩ける方は歩いて。

車椅子を自分で動かせる方は、

自分で。

そして、

自分で車椅子を動かせない方の車椅子は

介護職員が押して帰ります。

そうすると

どうしても

自分で車椅子を動かして

移動している方のスピードは

ゆっくりになります。

その横を

介護職員が押す車いすが

どんどん通り過ぎていきます。

車椅子を自分で押せない方は多く

介護職員は

次々と

移動を介助しないといけないので

スピードも

ゆっくりという訳にはいきません。

そうなると

自分で車椅子を動かせていた方も

「オレのも押してよー。押してよー。」と

大声で呼ぶのです。

その声を聴くのが辛かったです。

その声を聴きながらも

その方の横を抜かして

どんどん移動していかなければいけないのです。

あの頃のわたしは

どうすればいいのかわからなくて

ただ辛いだけでした。

そして

「がんばってくださいね。

もう少しですよ」なんて

言葉だけの応援をかけたりしながら

とれる行動は

ただただ

横を通り過ぎていくということしか

できなかったです。

相手を尊重するならば

「押してよー」という言葉通り

押してあげるとよかったのかな?

でもね。

自分で移動できるって

実は、素晴らしいこと。

ココロ折れて、

「押してよー」ってなる前に

できることなら

別の方の車いすを押しながらでも

隣をゆっくり歩きたかったなぁ。

歌のお好きな方だったから

歌でも歌いながら

ゆっくりと

お部屋までの帰路を

楽しみたかったなあ。

大広場には

自分で動くことができない方が

まだまだたくさんいらっしゃり

自分はいつ移動できるんだろうと

待っておられるので

職員は

速足で次々よ

お部屋に送りしなければいけなくて

そんな余裕はなく

できなかったのだけれど…。

自立って素晴らしい!!

今、もし

また同じような場面があったとしたら

その方に伝えたいです。

自分で移動できることって

本当に素晴らしいことなんですよ。

いそがなくてもいいんですよ。

ゆっくり、休み休みいきましょう。

待っていますからねって。

ご自分でできていることが

どんなに素晴らしいことなのかを

心からお伝えしたい。

やってもらうことに慣れてしまう前に

できていることの素晴らしさに気づいて

誇りをもっていただきたい。

そして、

その一方で

お一人で

自分で移動していることを

その人のふつうの状態として見るのではなくて

いつも以上に

エネルギーを使っているかもしれないと

気づき、

認め、

讃えたい。

それでも、

どうしても疲れてしまったら、

どうしたいのか

問いかけたい。

希望されるのであれば

そっと、

その車椅子を押してあげたい。

能力としてはできることも

環境や心の状態によっては

エネルギーが湧いてこなかったりもする。

そんな波も、受け入れてあげ

こちら側の余裕があるといい。

それが、

やわらかな自立支援なのかもしれません。

ちょっと、

余白もあるような。

介護する側と

介護される側の

人、と、人との繋がり、

みたいなものが生まれるような

やわらかな自立支援。

あのころは、

自分でできること

= リハビリ。手を貸してはいけない。

そんなマニュアルのような雰囲気を感じて

(勝手に感じていただけかも…)

むやみに手を出すことに躊躇してしまっていました。

加減もわからなかったし

介護計画に沿うことが正しいことだろうからと

人と違うことをする勇気もなかった。

今だったら。。。

もっと、ココロのつながりを感じられるような

ひとりひとりを信頼して

計画外のことを受け入れる余白や

ココロの余裕も持った介護をしてあげたいな。

その想いを

家庭での子育て

働かせてもらっている

発達障害の子の療育の現場

放課後等デイサービス

生かしていけたらいいんだよね。

こどもたちも

自分でできる力を持っている。

成長とともに

どんどん発揮されていく

自分でできる力。

信じてみよう。

自立(自律)を信じて

工夫していきる方法を伝えて

できていることを認めて

できないことやできていないときも受け入れて

じっと、見守り、

困っているときには

問いかけたい。

どうしたいの?って。

必要とされたら

そっと、手を差しのべてみる。

余白や余裕のある

やわらかな子育て。

やわらかな療育。

理想です。

子育て療育に必要なことの多くは

実は介護の現場で学んできたんだなって気づく。

たくさんの利用者さん

入居者さんに

教えてもらったこと

気づかされたこと。

経験したからこそ

わかったこと。

療育の現場や

日々の

子育ての中で

生かしていくことが

今は離れてしまった介護の現場への

恩返しになるのかもしれないです。(^^ゞ

うん。

-介護, 子育て

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